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UPDOWN  俳句          UPDOWN  作者名

いのちと言えば若き雄鹿のふぐり楽し 金子兜太
さ牡鹿の群れゐて人の香に聡し 伊藤眠
せんべ買ふところを鹿に見られけり 田端将司
ちらちらと鹿の尻きしきしと骨 十河宣洋
一枚の絹の彼方の雨の鹿 永島靖子
何を聞く鹿ぞ片足岩にかけ 佐野麦葉子
何処からでも行ける広間や鹿の声 小豆澤裕子
凍きびし雄鹿が齧る樹皮のおと 藤原み雪
埴輪の世より鹿は瀬越の空好む 堀葦男
夜の鹿幻を見て立ちにけり 藤田湘子
女(め)の鹿は驚きやすし吾のみかは 橋本多佳子
妻恋うる鹿は蒼古の塔である 片岡秀樹
安物のせんべい欲しがる男鹿かな 佐藤文子
往きに見し鹿を修二会の帰りにも 岩淵喜代子
快晴の鏡はげしく磨けば鹿 瀧春樹
撃たれんと一頭の鹿澄みきりぬ 照井翠
母ぎらつく水際を鹿の胸濡れ 和田悟朗
涸れ川を鹿が横ぎる書架のうら 中島斌雄
看取りきし夜を杉山の鹿の声 石井光枝
神の鹿神の許しもなく孕み 折原野歩留
若鹿の糞をこぼして島銀座 三好一空
蕩揺す圧倒的に鹿が居て 十河宣洋
遠足の子は順番に鹿を撫で 赤尾恵以
遠鹿にさらに遠くに鹿のをり 後藤夜半
雄鹿の前吾もあらあらしき息す 橋本多佳子
飛火野の老いたる鹿のあえかなり 諏訪ふじ江
驚きの姿のままに鹿の脚 林亮
鹿のかたちの流木空に水流れ 金子兜太
鹿の中鹿センベイを高く持ち 栗林浩
鹿の影こわれものとう荷をほどく 尾崎暢子
鹿の恋からまつ色の睫毛して 栗林浩
鹿の耳美しく立ち守るもの 前田霧人
鹿ら坐って言葉なき歌のかずかず 赤司六哉