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UPDOWN  俳句          UPDOWN  作者名

ころおんと鶴鳴く千代紙を買ひに 岸本由香
とび翔たぬ鶴をいぢめて折りにけり 八田木枯
まなぶたを閉ぢても月の鶴歩む 大山安太郎
やわらかに戦線まがる鶴の下 阿部完市
丹頂の羽にくるまれたき齢 渡辺礼子
丹頂や一千年の餌を播く 船矢深雪
二三歩をあるき羽搏てば天の鶴 野見山朱鳥
冬の夜のおつうが鶴でゐる長さ 栗林浩
凍てしまま鶴の一身あふれさす 小宅容義
凍鶴が羽根ひろげたるめでたさよ 阿波野青畝
凍鶴になるまで少年の素振り 岩本桂子
凍鶴になるらむ此処に鶴折らば 岸本由香
凍鶴に一つ菫の咲いてゐし 岸本尚毅
凍鶴に夢の世の月泛みけり 豊長みのる
凍鶴に晒一反青ざめし 村田まさる
凍鶴の一歩を賭けて立ちつくす 山口青邨
凍鶴の三歩あゆまず鳴きにけり 西垣左京
凍鶴の啼かむと喉をころろころろ 山口誓子
凍鶴の母性を避けるように立つ 江良修
凍鶴やたった一人に向き合えず 瀬戸優理子
凍鶴や翼のかわり尾骶骨 蝶谷完次
呼吸殺し西の方ゆく鶴を見る 徳山直子
土古く渡来の鶴をあるかしむ 吉岡禅寺洞
地球儀のどこも継目や鶴帰る 堀田季何
家までは鶴飛んで一分少々 辻脇系一
山裏へ行きたし 鶴は冬の花 松岡貞子
引くといふ大事を胸に鶴ねむる 中嶋秀子
或る時は一羽の鶴となっている 新井富江
昏睡の人のてのひら鶴よ来い 宮崎斗士
月の出や鶴の塒の水光る 瓜生恵美子
未明舞いきて鶴ほどの雪地を濡らす 松林尚志
来世に鶴でも白鳥でも困る 河西志帆
樹のそばの現世や鶴の胸うごき 飯島晴子
次の世はヒマラヤ越える鶴になる 亀田蒼石
母の帯の鶴かうと啼く夕冷に 岸本由香
母家出て少年凍鶴となれり 木戸渥子
水に映る雲にかも似て鶴凍てぬ 森山夕樹
漂泊は鶴の骸を見るためか 渡辺誠一郎
眠ろうかたちまち鶴のように白紙 十河宣洋
空といふ自由鶴舞ひやまざるは 稲畑汀子
穿漏か天意か鶴は虚となりぬ 石母田星人
純粋に鶴見る哀しいほど日本 石川青狼
舞いたい鶴舞いたくない鶴一緒に舞う 藤後左右
遊びたる鶴うつりたる自動ドア 宮本佳世乃
還るという枷を背負って鶴が来た 松下けん
鏡荒れ鶴はたちまち妊りぬ 八田木枯
飴玉の紙鶴となる膝の上 飯島てる子
餌付して鶴が人間臭くなる 持永ひろし
鶴がくる山河にまじる偽山河 澁谷道
鶴つつむ古い布あまねく朝日 田島健一
   
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