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UPDOWN  俳句          UPDOWN  作者名

けいとうの五十本ほど死ねといひ 小川双々子
ヒト科ヒトふと鶏頭の脇に立つ 攝津幸彦
三毛猫の隊列通る鶏頭陣 中井不二男
人影のはるか鶏頭一本ずつ 花谷和子
天鵞絨の朱の鶏頭にそそぐ雨 志摩知子
子規庵に鶏頭探すないしょです 鷲田環
寡婦われに起ちても臥ても鶏頭燃ゆ 桂信子
我去れば鶏頭も去りゆきにけり 松本たかし
新聞で師の死を知るやケイトウカ 梅澤鳳舞
火に投げし鶏頭根ごと立ちあがる 大木あまり
犬がゐて鶏頭の地のやや濡るる 桂信子
留守の家鶏頭の赤倒れたり 柿本多映
白昼の降りむきざまに鶏頭花 横山美代子
空ら額縁はこびこむ 鶏頭壮んな館 伊丹公子
能を舞う男の器量鶏頭花 蝶谷完次
自画像を剝がせば鶏頭あふれけり 守谷茂泰
衰へし犬鶏頭の辺を去らず 桂信子
被爆忘れじ鶏頭を鷲摑み 八重樫弘志
野鶏頭気の済むまでを立たせ置く 清田芳子
鶏頭がついて行くなと叫んでる 滝沢無人
鶏頭たち深い話をしておるか 金原まさ子
鶏頭に湾の上空懸かりけり 齊藤美規
鶏頭に空は光をとりもどし 二村いさお
鶏頭に鶏頭ごつと触れゐたる 川崎展宏
鶏頭のあったところがまだ紅い 辻脇系一
鶏頭のかむりの紅の初々し 深見けん二
鶏頭のくろずみて立つ時雨かな 室生犀星
鶏頭のとほきことさえ洪水前 小川双々子
鶏頭の一抹の朱わが生に 桂信子
鶏頭の一途に炎えて近づけぬ 野村畝津子
鶏頭の中の一本兜太かな 大竹照子
鶏頭の俄かに声を漏らしけり 曾根毅
鶏頭の傾く影の重さかな 矢野のぼる
鶏頭の十六本目は臨界点 行川行人
鶏頭の十四五本もありぬべし 正岡子規
鶏頭の影地に倒れ壁に立つ 林徹
鶏頭の渦考えて赤きかな 和知喜八
鶏頭の火をつけている紫蘇畑 穴井太
鶏頭の種あらそつてゐるらしき 中井洋子
鶏頭の緋はいくつもの扉をあけて 国武十六夜
鶏頭の雄弁な首切り落とす 三木基史
鶏頭や子規の眺めし角度より 浅井多紀
鶏頭や湯を満々と馬盥 堤保徳
鶏頭をこづいて友のきたりけり 矢島渚男
鶏頭をたえずひかりの通り過ぐ 森澄雄
鶏頭を三尺離れもの思ふ 細見綾子
鶏頭を折り後頭を失へり 松下カロ
鶏頭を目がけ飛びつく焚火かな 松本たかし
鶏頭を縛るに紐の余りけり 斉藤京子(つばさ・犀)
鶏頭花真直ぐゆけば精神科 鍬守裕子