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UPDOWN  俳句          UPDOWN  作者名

「英霊」はなぜ十五歳いまも霧 松田ひろむ
あけぼのの霧がはなるる鷺の丈 齊藤泥雪
あと少し泣いたら霧を纏えるか 近恵
いつか山霧姉は姉のままで老い 岸本マチ子
うつぼぐさ川霧さりしあかるさに 川島彷徨子
かたまりて通る霧あり霧の中 高野素十
きりぎしや朝霧はやまとことばめき 児玉悦子
くちびるに夜霧を吸へりあまかりき 三橋鷹女
げじげじや霧にゆらぎてランプの灯 志摩芳次郎
こんなに霧深宿舎はまるで白衣を着て 金子皆子
さすらへば球磨の夕霧さびしくて 横井迦南
たそがれや霧に融けゆく牛の声 林照華
ただ人を待つ霧の白粥をすすり 金子皆子
とつくりと霧につかりてしまひけり 鈴木詮子
なべて師の句碑霧の扉も大滝も 綾野道江
ひんがしに霧の巨人がよこたわる 夏石番矢
オーボエを愛せり霧の河口にて 前川弘明
グリコ横取り僕の横ふかい霧 田島健一
コーヒーはあとでください窓の霧 中里結
チェリストの夜霧のような息づかい 水口圭子
ランプ売るひとつランプを霧にともし 安住敦
一本のマツチをすれば湖は霧 富澤赤黄男
人死んでやむなく山の霧がくる 森下草城子
伊勢山中霧の一座がきて泊る 奥山甲子男
俯伏せの霧夜の遊行青ざめて 金子兜太
厨房のナイフ曇らす山の霧 桂信子
吾子すがる手力つよし露無量 能村登四郎
噴火口近くて霧が霧雨が 藤後左右
夕霧のお糸地獄を往来かな 中尾好美
夕霧の嶺に泛ぶ湖面標識よ 能村登四郎
夕霧や地にしづまりし麦の種 西島麦南
夜霧が漉餡だったら男女同権を認める 村井和一
夜霧さむし海豹などは灯なく寝む 藤田湘子
夜霧濃き雲仙の町歩きけり 蓮尾銀杏城
夜霧濃し運河は茫と灯を浮かす 吉田未灰
大いなる幹のうしろの霧の海 富安風生
大屋根をならべ寺町霧ごもる 大西岩夫
天牛やまもなく霧の時代来る 高野ムツオ
妙見の今あきらかに霧のひま 江良琥珀城
少年の隣は霧の指定席 江良修
山から霧他人のやさしさのように 星野一郎
山棲みの霧の重たさ水の濃さ 黒川憲三
山肌の山霧の橋ゆれており 平田薫
山裾のほのかに灯る霧の村 岡本正
山里に霧の気配りゆきわたる 月野ぽぽな
山霧に幹の如くに我は濡れ 上野泰
山霧の晴るる日の出や物静か 濱口濯水
待宵の四山霧ふかき外厠 西島麦南
思ひ川子供を落す霧の橋 村岸明子
戦中の半鐘吊るし霧の村 森武司
   
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