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UPDOWN  俳句          UPDOWN  作者名

あきらかに蟻怒り噛むわが足を 右城暮石
いそぐ蟻なまける蟻とすれちがふ 吉田未灰
おー蟻よ列なしてもう働くか 北村風居
さざ波は静かな祈り蟻の列 山戸則江
しづけさに山蟻われを噛みにけり 相馬遷子
しんがりに転生の吾蟻の列 秋山貞彦
つひに戦死一匹の蟻ゆけどゆけど 加藤楸邨
つまみそこなへばこはれさうな蟻だ 櫛部天思
にんげんが壊してしまう蟻の列 伊藤梢
マンモスと人の首観る蟻の列 鈴木康之
一兵の道あけておる蟻の道 後藤岑生
一匹の蟻ゐて蟻がどこにも居る 三橋鷹女
人と蟻居ても立つても居られない 吉川葭夫
働き蟻兵隊蟻日はかんかんと 江中真弓
僕に似た蟻穴を出て脱走す 前田霧人
先頭の蟻を知らない蟻の列 栗林浩
兵士蟻地面を踏まず急ぎけり 菊地乙猪子
刺草(いらくさ)に蟻走り入り走り出る 津根元潮
力行の範たる蟻をつぶしけり 相生垣瓜人
勤勉が身の破滅にて蟻の列 水谷郁夫
埋めきれぬ時間大きな黒い蟻が来て 福富健男
夜の卓に逃亡兵の蟻が来る 守谷茂泰
夜の蟻迷へるものは弧を描く 中村草田男
大蟻の雨をはじきて黒びかり 星野立子
大頭の黒蟻西行の野糞 金子兜太
山の蟻日向日かげを走りけり 平佐悦子
山蟻の尻ふてぶてしいくさあるな 吉田未灰
山蟻の輪ゴムをめぐり世をめぐり 中井不二男
山蟻の運ぶ夕日のかけらかな 川崎益太郎
山蟻の黙っておれば肩まで来 田中不鳴
山蟻を遊ばせている腕時計 曾根毅
山頭火の句碑へ真直ぐ蟻急ぎ 谷川彰啓
巡礼のように蟻ゆく爆心地 和田浩一
帯状疱疹東西無しに蟻走る 河野南畦
床の蟻惑わば惑え熱を病む 金子兜太
心眼を養ふための蟻の列 大滝徳美
月見坂蟻来て蟻に獲を渡す 大類準一
本を読む視野に入つて来たる蟻 後藤章
棄つるものきつく縛れば夜の蟻 松本加代子
森一つ動かしに行く蟻の列 梶川礼子
歩幅をも変へさす蟻の力かな 吉田南舟子
毛根痛し小走りに蟻すぎゆき 村井和一
火の山の怒り激しき蟻拾ふ 國定義明
片脚の蟻くるくると回りをり 照井翠
玻璃戸より蟻の仔細をうち眺め 後藤章
百疊を斜めに走る山の蟻 田中洋子
盤石の岩にも隙間蟻の列 伊藤政美
真白の紙の面を蟻迷う 西田さよ子
立ち止り見廻し蟻の呟けり 田中不鳴
職退きて働く蟻を見てをりぬ 幸喜美恵子
   
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