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UPDOWN  俳句          UPDOWN  作者名

がまぎつちよ辺りに音符ふえてくる 揚村節子
がま踏みそうな前夜(イブ)の蛍光青葉やわらか 福富健男
この庭の蟇は王子になりませぬ 伊藤梢
ただ妻の支持のみ確か蟇低音(ひくね) 秋元不死男
ひきがへるにも喉仏ありさうな 石倉夏生
ひきがへる眠り薬がまだ効かぬ 山田征司
ひとごろしのような空だな蟇 守谷茂泰
みちのくの海の明かりを思う蟇 川辺幸一
やさしいって大変なこと蟇 田中いすず
わがままな文豪のごと蟇 大牧広
ソムリエのエプロン長し蟾蜍 栗林浩
ヒキガヘルつるり腑に落つささめごと 阿川木偶人
リア王の蟇のどんでん返しかな 平井照敏
伊勢みちの途中鳴きたる蟇 桂信子
何とでもなれ振り向かぬ蟇 杉本正明
千年の形状記憶ひきがえる 山崎聰
口下手も愚鈍も承知蟇の貌 秋山石声子
古庭を魔になかへしそ蟇 高浜虚子
向き合いて膨らみきりし猫と蟇 田中朝子
妻恋の一日雨の蟇のこゑ 加藤瑠璃子
宇宙船發射遲るに坐り蟇 信童二
官吏たることを隠して蟇の前 森野稔
尻蹴って蟇あゆまする薬師道 飯名陽子
忘るなと青やかな世に蟇(ひき)出づる 文挾夫佐恵
暗闇に蟇飼う大家族 杉浦圭祐
暮六つには寺におります蟇 前田吐実男
月の出の黄なる海へと蟇すすむ 山口誓子
極楽をでてきてしまう蟇 松澤昭
滅びたる生家ヒキガエル交みおり 宇治橋健
疣黒き蟇出て迎ふ故園荒れ 目迫秩父
秒針を塞き止めている蟇 並木邑人
蟇あるく大きくゆるく爆音下 加藤楸邨
蟇うしろの正面誰も居ず 山崎聰
蟇ないて唐招提寺春いづこ 水原秋櫻子
蟇またぐときごうごうと耳鳴りが 金原まさ子
蟇ものぐさにしてものおもひ 蝦名石蔵
蟇不動闇崩るるを恐れをり 嶋野國夫
蟇千年待つよずつと待つよ 照井翠
蟇棲むや憶うや己の幾星霜 奈良恭子
蟇歩く到りつく辺のある如く 中村汀女
蟇消える昭和を生きている 南喬穂
蟇瓦礫の奥で哭く 名久井清流
蟇誰かものいへ声かぎり 加藤楸邨
蟇轢かれやがていつもの土となる 安西篤
蟇闇のつづきの山負うて 桂信子
蟇鳴くやカフカはわれを置き去りに 小檜山繁子
蟾蜍水より静か水に溶け 前田弘
蟾蜍長子家去る由もなし 中村草田男
跳ぶ時の内股しろき蟇 能村登四郎
退屈を固めてみれば蟇 庵幽二
   
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