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UPDOWN  俳句          UPDOWN  作者名

あかつきや歩く音して籠の虫 岸本尚毅
ある闇は蟲の形をして哭けり 河原枇杷男
いさみ足で今日が終りて虫しぐれ 井川春泉
きのうのように出土の甕棺昼の虫 松本昌平
けふはけふの山川をゆく虫時雨 飴山實
どっこい生きて蟲の挽歌を聞いている 平川義光
みないるぞ南洲墓地の虫しぐれ 中尾和夫
アンコール曲ハミングはみんぐ 虫すだく 山本和子
コンビニの外は深海虫時雨 尾崎竹詩
チリリリコとうっとりさせる秋の虫 末広鞠子
バス去りて虫の音高くなりにけり 中村圭作
一筋に夜明けし路地や虫の声 佐野青陽人
五六人降りてゆく駅虫の声 田中不鳴
今日よりはこの世の虫として笑う 行川行人
休日は縁なき生活虫すだく 芦川美津江
其中に金鈴をふる虫一つ 高浜虚子
千の虫鳴く一匹の狂ひ鳴き 三橋鷹女
夜を昼へ木立かぶさる虫時雨 赤城さかえ
大陸をコオロギのように歩く 松本勇二
失望は午前に午後に虫の夜に 宇多喜代子
封をしてしばらく蟲の夜となりぬ 小田房子
廃線の駅ぽつねんと虫時雨 鶴岡しげを
数式を展けば虫の声しきり 松王かをり
明日は退院まだ虫たちは鳴いてゐるか 出井哲朗
昼の虫峠の神は足短か 江中真弓
晝の虫リリと啼き澄み四肢あつく 藤木清子
本読めば本の中より虫の声 富安風生
村の灯のこぼれて深し虫の闇 荒谷松葉子
来し方や母音のながき虫の声 阿部晶子
死神に引摺られをる残る虫 髙堀煌士
残る虫残さるる虫鳴きにけり 宮田藤仔
母と寝る一夜豊かに虫の声 栗生純夫
水際を程よく離れ枯れる虫 吉持愁果
水音と虫の音と我が心音と 西村和子
父通り過ぎたるこの世虫時雨 小檜山繁子
白雲や家の柱をのぼる虫 鳴戸奈菜
眠るにはまこと惜しき虫の声 太田美
神楽舞う裏山つづく虫しぐれ 駒崎美津子
移動して虫鳴く死期を早めつつ 清水昇子
糸切歯いまだ健在虫すだく 伊達みえ子
緑村忌の言霊を聴く虫の声 小倉富子
耐ふるものみな死に絶えて虫は在り 中村苑子
自動ドアーくるりと外へ虫時雨 宮沢志きぶ
薔薇ばらばら一寸の虫鳴きました 坂本敏子
虫しぐれ読みたいものを書いている 川名つぎお
虫しぐれ闇の閂はづしけり 竹中伸子
虫しげし四十とならば結城着む 桂信子
虫すだくほどにちいさく紙を切る 江田尚可子
虫すだく指揮者はるかに北斗星 望月富子
虫すだく痩馬なりしロシナンテ 三浦百合子
   
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