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UPDOWN  俳句          UPDOWN  作者名

かたまりて星雲をなす葡萄の実 高橋修宏
ぶどう棚右手とどかずラリルレロ 杉原信子
ほろにがき恋の記憶や黒葡萄 中山秀子
バルト海閉ぢ込めてゐし黒葡萄 吉本宣子
一房の巨峰の重さ掌にとりて 中澤一紅
一房の葡萄の重み子に頒つ 森田智子
一粒の葡萄のなかに地中海 坂本宮尾
力山を抜き葡萄新酒の栓抜けず 原子公平
口皺のさびし葡萄の甘かりし 前田美智子
喉とおる葡萄の粒がずっと遙か 大坪重治
天網恢恢葡萄の鬼房だけ洩らす 檜垣梧樓
急ぐなよ葡萄は一粒ずつ青い 秋尾敏
惑星の引き合う夜の葡萄かな 守谷茂泰
愛という拠りどころあり黒葡萄 白石みずき
憎しみが涙となりて黒ぶどう 羽渕順子
朝刊を大きくひらき葡萄食ふ 石田波郷
民族帽似合ふ砂漠の棚葡萄 梅田弘祠
沈黙に入りはじめし葡萄の木 藤井眞理子
炎天に天蓋の想い葡萄の実房 三塩智子
独・仏の此處が国境ぶどう畑 嶋﨑陽子
甕たのし葡萄の美酒がわき澄める 杉田久女
白葡萄しずかに山がこわされる 岩尾美義
百のパルティータは百の葡萄の香 田口彌生
罪のごと喉越す種なし葡萄かな 西村葉子
老いてゆく恋人よ葡萄棚の下 今井杏太郎
色惜しみつつ夜明けつつ黒葡萄 廣瀬直人
葡萄の種吐き出して事を決しけり 高浜虚子
葡萄一房嘘偽りのなき曇り 安藤和子
葡萄大房みるみる両手湖となる 河野多希女
葡萄棚の濃き影ぶどう採りしあと 桂信子
葡萄熟れ火種のような婆がいる 下山光子
葡萄食ふ一語一語の如くにて 中村草田男
針金が太くて冬の葡萄園 小宅容義
雨期長し青衣かけおく葡萄の木 児玉悦子
革命とおく去り父祖らの踏む葡萄 宇井十間
魂の一つ一つの黒葡萄 和知喜八
黒ぶどう嚥下のすゑの明るくて 岡田一実
黒葡萄ひと房夜の穣かなる 野田哲夫
黒葡萄夜が膨張しつつあり 山本左門
黒葡萄男のなかで熟れており 久保純夫