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UPDOWN  俳句          UPDOWN  作者名

いつも来る綿虫のころ深大寺 石田波郷
しがらみのひいふうみいよゆきばんば 館さくら
すりあしでゆけば綿虫出てきそう 村田まさる
ひと謗りきて綿虫にまつはらる 吉田未灰
ダム底の霊合う日なり雪螢 田中賢治
乳母車睡り入る児の白ばんば 中井不二男
冬が来る無数の雪虫さながら戦 石川青狼
到り得ぬ光ひとすじ雪蛍 花谷和子
前の世のこと大綿に逢うてより 柏田浪雅
吐息みな綿虫となる日暮どき 山﨑冨美子
喪神の溶岩原ゆらり雪蛍 中井不二男
四次元を出入りしてをり雪螢 川代くにを
土(つち)明(あ)かり朝(あさ)の/綿蟲(わたむし)/昼(ひる)の泣(な)き虫(むし) 林桂
地獄絵の何故か明るき雪螢 井上けい子
夕暮れてひと日を惜しむ雪蛍 荒田恭峰
大綿のたとえば母の寝息かな 青木栄子
晩年の旅は鈍色雪ぼたる 銀林晴生
晴天の天守に生れし雪ばんば 井山淑子
未知の日へいざなふ使者の雪蛍 西川良子
浮遊する綿虫微光ともならず 西川せつ
綿虫が頭の中を出て行かず 水口圭子
綿虫だんだん試行錯誤だんだん 山本敏倖
綿虫と息合ひて世に後れけり 大石悦子
綿虫にあるかもしれぬ心かな 川崎展宏
綿虫に耳の乾きを覚えけり 近藤栄治
綿虫に顔の力を応とぬく 藤田湘子
綿虫のこじあけている孤独かな 渡部陽子
綿虫のころ振袖のたたみ皺 平松彌榮子
綿虫のとぶ理由など知るものか 小宮山遠
綿虫の音なく消えてあらはれぬ 印南耀子
綿虫は美男葛の木に止まり 丸山澄夫
綿虫へ運河音なく膨れ居り 星水彦
綿虫もたぶん矛盾を抱えてる 新井富江
綿虫やそこは屍(かばね)の出てゆく門 石田波郷
綿虫やひとりあそびの上手な子 中野路得子
綿虫やむらさき澄める仔牛の眼 水原秋櫻子
綿虫や故郷があり淋しいぞ 山中葛子
綿虫や水子地蔵の肩に来て 井上けい子
綿虫や漂うことを営々と 山田征司
綿虫や象は己れの影を踏み 原田麦吹
綿虫をつぶせし重さぬめり出す 荒川美邦
綿虫を光らせてゐる人差指 石倉夏生
綿虫を追ひ碧天に吸ひこまる 星川木*葛子
綿蟲の魂とぶごとく風とくる 河野多希女
綿雪のような女の骨拾ふ 大類準一
老人と綿虫のゐる個室かな 柿本多映
蹤いて来し綿虫暫し連れ歩く 石田敏子
蹤きくるは綿虫のみぞ哀れめや 吉田未灰
迷ひなく来る綿虫は君なのか 照井翠
退屈な父へ漂ふ雪ばんば 清水万ゆ子
   
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