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UPDOWN  俳句          UPDOWN  作者名

おそるべき君等の乳房夏来る 西東三鬼
さはさはと夏来るらし雨も又 中嶋秀子
したたかな夏来て 草木身構える 鷲山千晴
たとへなきへだたりに鹿夏に入る 岡井省二
もう一人の自分に逢える夏来る 大上博子
カンガルーと目が合う少女夏が来た 宮崎斗士
トックリヤシ青々として立夏かな 柘植英二
プラタナス夜もみどりなる夏は来ぬ 石田波郷
三欲が若さの秘訣です立夏 益田清
両眼をおさへて夏に入りにけり 阿部青鞋
亡き母のぶんまで歌う夏は来ぬ 小林則子
人間はよく手を洗ひ夏に入る 内田庵茂
仰向けの車体虫めき夏に入る 中村和弘
余生の余白埋めんと歌う「夏はきぬ」 天川悦子
修復のできない右脳に夏来たる 加藤昭夫
倒立の団栗眼夏来る 小林萬二郎
六十年目の夏来る君は少女のまま 中村重義
切り放すうしろ三輌夏に入る 杉本かずみ
原子まで遡りゆく立夏かな 曾根毅
古唐津は父の重さや夏来る 佐川初江
四方に水勢高千穂人に夏来たり 堀之内長一
夏に入る太き針目の畳店 三條由美子
夏来たりをんなやさしき色嫌ふ 松本光子(水明)
夏来たる虚弱児たりし通信簿 水島純一郎
夏来る人格二つたずさえて 恩田皓充
夏来る父は昭和の噴火口 佐藤成之
夏立ちぬ書斎の壁に芋銭の絵 秋山石声子
夏立つとあたりはらつて申されし 松澤昭
妻の掌をこぼれ立夏の米光る 小川星火
子を発たす立夏の駅の草の丈 石井直子
小さな村の小さな祠夏来たる 加地英子
少年等瞳に潮棲ませ夏が来る 中尾和夫
山頂に立夏の雲が燒けにくる 雨宮抱星
晴々と透きゆく心地夏に入る 丸田和子
松籟や百日の夏来りけり 中村草田男
毒消し飲むやわが詩多産の夏来る 中村草田男
水笛のやうに鳴く鳥夏来る 近藤栄治
海に没る陽をふところに立夏かな 阿保恭子
清流を束ね四万十夏来る 尾崎青磁
渓川の身を揺りて夏来たるなり 飯田龍太
百匹に二百の眼ン玉夏来る 瀧春樹
矢を放つ残身凜と夏来る 佐藤勲
碑を拝し仏を拝し夏来る 大谷早苗
積分は覚えなくても夏がきし 村山陽出於
笹の香の神酒ほの辛し夏に入る 安澤静尾
紹興酒甘し立夏の海平ら 川村祥子
胎内の水音聴いてゐる立夏 中村苑子
腹中に立夏の豆腐あそびおり 三谷昭
葦原にざぶざぶと夏来たりけり 保坂敏子
親不知雪濁出て夏に入る 齊藤美規
   
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