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UPDOWN  俳句          UPDOWN  作者名

「むかし男」の塚涼しくて妖しくて 佐藤小枝
あなたのお骨涼しも谺のようことり 諸角せつ子
いち抜けた涼しい影に添いにけり 横須賀洋子
いつか死ぬ人を愛する涼しさよ 茅根知子
ここ涼しかしこ涼しと座をかへて 高浜年尾
こつあげやほとにほねなきすずしさよ 柿本多映
こんこんと樹に水のぼり森涼し 中川聰子
さんずゐは点点点の涼しさよ 林翔
どの子にも涼しく風の吹く日かな 飯田龍太
ひらくたびつばさすずしくなりにけり 対中いずみ
をみならも涼しきときは遠(をち)を見る 中村草田男
パブロフの犬に挑まれ涼しかり 花谷清
プラネタリウムの涼しき白鳥座 池田冨美
一山の涼風を浴び羅漢たち 西登喜子
不惑涼し夜色を得つつ空青む 香西照雄
京おとこ鞠智城まで来て涼し 加藤知子
住吉の松の下こそ涼しけり 武藤紀子
体内におくのほそ道あり涼し 桑原三郎
光るうどんの途中を生きていて涼し 田島健一
入日負ひ原野の馬の涼しき眼 斎藤由紀
円空仏守る尼僧の眸の涼し 米川五山子
前向いて笑ひてをれば涼しかり 守屋まち
右の目に意あり左様の識涼し 吉田素糸
四国とは背伸びの子象風すずし 橋本直
外燈下乙女ひらり過ぎ涼し 野澤節子
天涯という涼しさや大欅 平田薫
子のための又夫(つま)のための乳房すずし 中村草田男
存らえて傘寿この身の影涼し 伊勢鏡一郎
定規あてひく直線の涼しさよ 吉岡泰山木
幼き問ひと涼風に噎(むせ)ぶ日ぞ 友岡子郷
弾丸の一歩先ゆく涼しさよ 加藤哲也
悪女待つガレのランプの涼しき灯 戸板幽詩
手捌きの軽き美容師風涼し 安保美恵子
星涼し川一面に突刺さり 野見山朱鳥
星移る匂い袋の涼しき香 花谷和子
晩涼に池の萍(うきくさ)皆動く 高浜虚子
晩涼の闇にこころの魚放つ 上村占魚
晩涼や桐の箱より大首絵 岸本由香
朝日涼し野良着も蠅も縞模様 香西照雄
朝涼の茶屋の蒸籠火を得たり 河野頼人
朝涼や菩提樹の幹ごつごつと 角田睦美
格言を読む山門の風涼し 前田たけし
椅子涼し衣(そ)通る月にみじろがず 杉田久女
樹々のこゑ草に移れる夜涼かな 大石香代子
機音の熄みし暗闇涼しけれ 八木筬大
次の男も涼風を言う天守閣 坂田直彦
水底の砂の涼しく動くかな 長谷川櫂
波涼し舷梯に灯のまたたける 荒川幸恵
浴衣着て外国人や門涼み 工藤石羊
海真暗人住む島の灯の涼し 柴田菁景
   
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