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UPDOWN  俳句          UPDOWN  作者名

くちびるで繕う氷菓日本海 中島偉夫
とけてゐるアイスクリーム秋の蟬 木下夕爾
ふとアイスクリームといふことばいで 京極杞陽
ゆきづまるときは妻とのかき氷 舘岡誠二
ゆつくりと旅の終りの氷菓食ぶ 西村和子
アイスクリームおいしくポプラうつくしく 京極杞陽
アイスクリーム嘗めカンヴァスを離り見て 西村和子
アメリカの銀貨はじめて氷菓買ふ 星野立子
クリームサンデー殺し文句である 小野田あさみ
コンビニの嵌め殺し窓氷菓食ぶ 石口榮
シューベルト聴く掌の冷菓子 小倉富子
ソフトクリーム此の世崩ゆるは音無けれ 竹岡一郎
ライオンは寝てゐるわれは氷菓嘗む 正木ゆう子
一匙のアイスクリームや蘇る 正岡子規
六月の氷菓一盞の別れかな 中村草田男
加速する老の月日や氷菓子 佐藤信顕
夫婦の夜氷菓の中に匙残し 対馬康子
子を連れてアイスクリーム食ひしのみ 北山河
川照りへ氷菓の棒を捨てにけり 辻桃子
彼岸会の氷菓正体なくなりぬ 横山白虹
愛情もアイスクリームも喉通る 横須賀洋子
放浪や肘へ氷菓の汁垂れて 飴山實
旗らしきもの立て午後の氷菓売り 上野英一
氷店の鏡に午後の波頭 桂信子
氷菓の峯凹ます少女の堅き舌端 内藤吐天
氷菓互ひに中年の恋ほろにがき 秋元不死男
氷菓売る老婆に海はなき如し 右城暮石
氷菓売倦めば港の景を見る 山田弘子
氷菓尽きぬこの人に何も与へ得ざりき 中島斌雄
氷菓溶くるにまかせ愉しく同情す 油布五線
氷菓舐めては唇の紅補ふ 津田清子
氷菓舐め暢気妻子の信篤し 清水基吉
氷菓舐め痺れし舌をみせあへり 辻桃子
沖に船氷菓舐め取る舌の先 西東三鬼
無職なり氷菓溶くるを見てゐたり 眞鍋呉夫
父祖哀し氷菓に染みし舌だせば 永田耕衣
現在も稚拙な愛なり氷菓を木の匙に 磯貝碧蹄館
百姓の手に手に氷菓したたれり 右城暮石
美しき氷菓を崩すこと惜しく 今井千鶴子
芋アイス買うや小江戸の蔵造り 古滝達男
誠実に氷菓を痩せさせるあなた 櫂未知子
貧しき通夜アイスキャンデー噛み舐めて 西東三鬼
赫き阿蘇の裾の車窓に氷菓とかす 小林康治
車窓仮睡アイスクリーム売よぎる 高浜年尾
車窓伊吹氷菓のごとく遠ざかる 澁谷道
静かに汗す風月堂の氷菓(アイス)かな 筑紫磐井
騙し絵に垂れしアイスクリームかな 大石雄鬼