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UPDOWN  俳句          UPDOWN  作者名

あらくさに足をなげだす朧かな 菅原和子
いつの世も朧の中に水の音 桂信子
うすぎぬのおぼろが裏む花の精 西條李稞
うつくしき嘘朧夜の腕伸ばす 久行保徳
おぼろなり割箸で喰ぶパスタかな 永田タヱ子
おぼろなる記憶の底に花電車 竹﨑あき
おぼろにて丸し佳人の言葉尻 永井潮
おぼろより仏のりだす山の寺 桂信子
おぼろ夜のいちばんはじめから歩く 山崎聰
おぼろ夜の存在も無も酩酊せり 原子公平
おぼろ夜の楽譜にひとつ疑問点 宮崎斗士
おぼろ夜の身起せばありし妻の衣 河野南畦
おぼろ夜の馬あらわれて錆びはじむ 岩尾美義
さる方にさる人すめるおぼろかな 久保田万太郎
すこしづつ死す大脳のおぼろかな 能村登四郎
つややかな管つけ父は朧なり 櫂未知子
とある樹に卵がかへりゐるおぼろ 神生彩史
どこまでが帯どこからがおぼろの夜 津沢マサ子
どこまでも橋伸びてゆく夜の朧 桂信子
なるやうになりたる果ての身のおぼろ 原田要三
ひとり乗るエレベーターの朧かな 神楽坂リンダ
ふる里の一灯おぼろ父母在す 井上藤
ろまんすをおぼろづくしにふくらまそ 松澤蕗子
カフカの城よりもおぼろの城めざす 花谷和子
ガス燈のおぼろ百年三嶋亭 境初子
七十路や片足ずつのおぼろかな 大橋静
三代以前はおぼろの家系地酒で祝ぐ 原子公平
人の死は灯をこうこうと朧なり 和知喜八
仁王の腕ふふっと伸ばす朧かな 望月英男
仏像にまだ木の匂い夜の朧 和田浩一
似顔絵の鼻が違つてゐる朧 小豆澤裕子
出口あり灯朧の一遺影あり 山崎聰
刻なしに老いは眠りぬ昼おぼろ 梶山千鶴子
博多より福岡を見るおぼろかな 大山安太郎
句帳まだ空白なのよ 草おぼろ 近藤千恵子
名城を盆に浮かせり朧の夜 星野明世
吾もまた自遊人なり 花おぼろ 松本修一
告別と朧を一つ身の内に 南上敦子
地球儀を廻せば朧子の任地 岡田初音
大いなる鐘にゆきあふ朧かな 飴山實
大川の朧佃の灯のともる 大塚亜木良
天も地もおぼろにつるみいる上海 加藤知子
天袋よりおぼろ夜をとり出しぬ 八田木枯
女下駄の音のこまやかに花おぼろ 石黒正裕
平家琵琶耳は朧をぬけられず 神田ひろみ
引いてやる子の手のぬくき朧かな 中村汀女
我が影の朧の部分見ておりぬ 松本勇二
戦争と戦争の間の朧かな 堀田季何
折鶴をひらけばいちまいの朧 澁谷道
指切りの針いっぽんが朧なり 相本寿美子
   
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