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UPDOWN  俳句          UPDOWN  作者名

「零戦」の話おぼろ夜の漏れ水栓 田口美喜江
ありがとう握手の余韻朧の夜 矢澤末子
おぼろ夜にうつつをぬかす出刃庖丁 青木一夫
おぼろ夜のおぼろ深める子守唄 三瓶万寿
おぼろ夜のかたまりとしてものおもふ 加藤楸邨
おぼろ夜のアクアリウムとなる地球 宮本千鶴子
おぼろ夜の声たまりゐる喉仏 蝦名石蔵
おぼろ夜の引出しに母入れたまま 棚橋麗未
おぼろ夜の母が下りゆく室梯子 小檜山繁子
おぼろ夜の潮騒つくるものぞこれ 水原秋櫻子
おぼろ夜の灯り一つの精神科 近藤美好
おぼろ夜の紅絹一反を思いけり 清水伶
おぼろ夜の霊のごとくに薄着して 能村登四郎
おぼろ夜の鬼ともなれずやぶれ壺 加藤楸邨
おぼろ夜や旅先ではく男下駄 あざ蓉子
おぼろ月化生(けしょう)のものを地におろす 文挾夫佐恵
ひとが夢語るとき月朧にて 前田霧人
ふるさとの橋おぼろ夜の朽木こぼす 小檜山繁子
みだれ籠の中までおぼろ月夜かな 福本弘明
ファウストを誘はんとて朧月 柏田浪雅
リストカットにて朧夜のあらわれる なつはづき
倒木の立ち上がらんと朧の夜 秋尾敏
入り口を一つ違えりおぼろ月 伊藤操
問かける瞳が朧夜へうるむ 古川喜代子
執拗に紙折つてをりおぼろ月 柳田亜紀
夜の魚跳ねて大きな朧月 加藤知子
寝床から子規も見たでしょ 朧月 近藤千恵子
月おぼろ実は…のあとが聞きとれぬ 池田澄子
月朧黒い電話が鳴っている 松原静子
朧の夜おとこのわれをまた思い 和知喜八
朧夜に濡れてこの身の老いゆくか 髙橋健文
朧夜のどの椅子からも子が消える 松下けん
朧夜のむんずと高む翌檜 飯田龍太
朧夜の切断面がみてみたい 小林敏子
朧夜の折紙花に鬼になる 佐藤小枝
朧夜の日本手拭いざらついて 関戸美智子
朧夜の朧とは髪ほどきたる 柳生正名
朧夜の死なば人の輪見えてくる 小向知枝
朧夜の絵の具がほしいモネの庭 内藤冨雪
朧夜の船団北を指して消ゆ 飯田龍太
朧夜の針一本の行方かな 中村克子
朧夜の面影橋を渡りけり 伊藤和子
朧夜は万華鏡見て子に戻る 岡田初音
朧夜や久女を読みて目を病みぬ 久保田慶子
朧夜や流れ着きたる「BAR左岸」 松王かをり
朧月 天保銭で払います 小堀寛
朧月いまより谷を捨つるかな 松澤昭
朧月もったいないの母が居る 徳永紀美子
朧月アクロバットの手が滑る 山戸則江
朧月地球が一人あそびせる 佃悦夫
   
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