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UPDOWN  俳句          UPDOWN  作者名

けものめく記号だらけの村暑く 髙尾日出夫
これよりの炎ゆる百日セロリ噛む 野澤節子
つよき火を焚きて炎暑の道なほす 桂信子
むらがり咲くものの暑さよ墓過ぎて 桂信子
われ越える波のごときを暑く待つ 和知喜八
アニョンハセヨ暑き日いまだ沈まざり 森竹須美子
イカロスの落命想ふ炎暑かな 今井游子
シャガールのサーカスの下暑い夜 和知喜八
シュレッダー數字を砕き熱帯夜 金子潤
ボロ市の地球儀昼も夜も暑く 和知喜八
下北の首のあたりの炎暑かな 佐藤鬼房
人がらがおれを出てゆく暑さかな 川名つぎお
人も木も浮遊している熱帯夜 中村克子
入り口は迷路への道蒸し暑し 武藤あい子
割り切れぬ偶数思う熱帯夜 川辺幸一
君が代の朝の暑さに緘黙す 池田澄子
君ら暑がり肝つ玉かかへるか 松澤昭
坊さんの理屈ともかく暑かりき 渡辺正芳
夜や暑したましいのみが遊泳す 松本夜誌夫
妻の黙看取り疲れが暑に浮けり 鈴木詮子
子に深し暑さぐもりの水の皺 松澤昭
學生のゐなくなりたる暑さかな 伊東類
息の根のとまることある暑さかな 森川暁水
我宿は女ばかりのあつさ哉 正岡子規
時には鬼の様に酒飲む暑さかな 山田緑光
暑き日の鏡の奥に船が着く 幸田進次
暑き街虚無僧が来て絶壁なす 小川双々子
暑さうな面皰有之医師(これあるくすし)なり 山地春眠子
暑さぐもりのくるはぬさきを見さだめし 松澤昭
暗く暑く大群集と花火待つ 西東三鬼
月曜日朝のラヴェルは蒸し暑く 水谷郁夫
歩むため石段探す熱帯夜 江良修
歯車音暑き夜沼にもぐるもぐる 金子兜太
湖に暑さ去りゆく夕かな 星野椿
炎暑かな文字の痩せたる夫のメモ 渡邊禎子
炎暑去る地中にふかく樹の根満ち 桂信子
熱帯夜この寝室も野辺のひとつ 並木邑人
熱帯夜ひとの形の水醒むる 野田哲夫
熱帯夜天降(あも)る駱駝と異邦人 白石司子
熱帯夜思ひの丈に及ばざり 瀧洋子
熱帶夜不眠という帆の船泊り 徳永義子
熱帶夜都心の底の鰓呼吸 関谷寛一呂
父ら暑いとこんじきにならぬかや 松澤昭
爾臣民に告ぐ列島の猛暑かな 中尾和夫
牛の身の山越えてゆく炎暑かな 桂信子
犬声の人語に似たる暑さ哉 内田百閒
玉砂利の音が増幅する暑さ 曽我部東子
生きている証に飢えて熱帯夜 鯉沼幸子
着メロを開けば熱帯夜の母だ 角谷憲武
硬直しエム・アール・アイ撮る溽暑 高城立鬼
   
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