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UPDOWN  俳句          UPDOWN  作者名

おろおろと母のうしろの春愁い 松原小蕾
おーい春一両電車に乗って来い 尾崎竹詩
ていねいに包む春愁小風呂敷 永井潮
ふと春愁家族の箸を並べをり 岡本独楽児
また元へ戻る春愁観覧車 尾崎竹詩
パン粉から岬へ走り出す春愁 松井国央
ボードレールのレールに春愁光りつ去る 原子公平
マネキンのゆびさきにある春愁 堀部節子
ラ・カンパネラ聴くうしろより春愁 本田博子
女工らの春愁荷縄むらさきに 香西照雄
孔雀よりはじまる春の愁かな 藤田湘子
情に棹さしたる後の春愁 岩永千恵子
愁いつつ春の地球のなか覗く 鳴戸奈菜
戰爭は 歌ふ春愁許さざる 平良雅景
折鶴の彩のよろしき春愁 小原芳子
春うれひ骨の触れあふ舞踏かな 柿本多映
春かなしカザルスチェロの鳥の歌 河野胆石
春はあけぼの膨らんでくる太平洋 尾崎竹詩
春愁という言葉もつ祖国あり 中尾和夫
春愁と怠け心の分け難し 野坂紅羽
春愁にもっとも近く鍛冶屋あり 塩野谷仁
春愁に搦め捕られてしまいそう 田中惠子
春愁のいつも何かに触れてをり 中村正幸
春愁のつーんと笹の葉が尖る 藤木清子
春愁のなけれど髪を短かくす 長田美恵子
春愁のほとけ裳裾にある乱れ 室生幸太郎
春愁のレタス一枚ずつ剥がす 成田淑美
春愁の化石巨鳥がおはようと 増田陽一
春愁の午後無言歌の流れたる 水野二三夫
春愁の海一望に観覧車 中川聰子
春愁の猫が集まるモーツアルト 安田詩夏湖
春愁の男厨は演歌かな 宮利男
春愁の胸扁平に透視さる 國定義明
春愁の色濃きモジリアニの女 小橋柳絮
春愁の解けて歩幅の定まれり 林ヨシ子
春愁の醒める間際の皮膚呼吸 中村冬美
春愁の雁字がらめになつてをり 遠藤悦子
春愁ひ手が出て吾を羽交締め 八木ひろ子
春愁やかなめはづれし舞扇 鷲谷七菜子
春愁やくらりと海月くつがへる 加藤楸邨
春愁やはたらかぬ手の指ほそく 稲垣きくの
春愁やホルスタインを見にゆけり 木村聡雄
春愁や反戰の稿一気に書く 山口光*琲朗
春愁や大道芸の手の捌き 島田静子
春愁や少年抱きしめられている 中尾和夫
春愁や木馬の螺子がゆるみおり 小野淳子(海程・林苑)
春愁や次がもう来る月刊誌 宇野笑子
春愁や母に聞かせてならぬこと 千原叡子
春愁や洗濯物が暮れてゆく 國分三德
春愁や犬は寝そべり鯉沈む 清水基吉
   
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