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UPDOWN  俳句          UPDOWN  作者名

あるときはふるさと燃ゆる春の夢 藤田湘子
いづかたも水行く途中春の暮 永田耕衣
うつうつと雨音だいて春の暮 渡辺正芳
つながれて牛考へる春の暮 桂信子
ひろびろと母亡き春の暮つ方 永田耕衣
ほろにがきものへ箸ゆく春夕べ 大牧広
またとなき春のゆふべのはねつるべ 八田木枯
クリムトの馬動かざる春の暮 星野昌彦
スタジオへ出船の汽笛春の暮 船矢深雪
井戸のぞくときに顔あり暮の春 八田木枯
土の音松にのぼりぬ春の暮 藤田湘子
地に添うて鶏の一日春の暮 桂信子
天地に妻が薪割る春の暮 石田波郷
女房のふところ恋ひし春の暮 松瀬青々
妻亡くて道に出てをり春の暮 森澄雄
孔雀まで吹かれて来たり春の暮 藤田湘子
家を出て家に歸りぬ春の暮 藤田湘子
平らかに畳に居るや春のくれ 桂信子
擂粉木のあたまを遣ふはるのくれ 中原道夫
春のくれ夫なき家に帰りくる 桂信子
春のくれ我も近所の人ならむ 八田木枯
春のくれ液軆として沈むなり 柿本多映
春のくれ液體として沈むなり 柿本多映
春の暮佛頭のごと家に居り 岡井省二
春の暮屋根反り平和脅かす 森田智子
春の暮川幅を水流れては 桂信子
春の暮老人と逢ふそれが父 能村研三
春ゆうぐれ少年にねじひとつねばる 楠本憲吉
春ゆふべあまたのびつこ跳ねゆけり 西東三鬼
春夕べスイッチぺこと音がして 飯野節子
春夕べ襖に手かけ母来給ふ 石田波郷
杭打たれ水に没せり春の暮 神生彩史
水の上を水が流れて春の暮 桂信子
水をみちびく竹林の精春の暮 桂信子
泣きじゃくる魂ひとつ春夕べ 沼尻巳津子
相模野の春暮になじむとりけもの 桂信子
石像の獅子もしなやか春夕べ 桂信子
窓を出てシヨパンの高貴春の暮 桂信子
総毛立つ紙の手ざはり春の暮 桂信子
育たなくなれば大人ぞ春のくれ 池田澄子
薄紙も炎となりぬ春の暮 桂信子
蜜なめて黒瞳かがやく春の暮 桂信子
街角をけものの曲る春の暮 津沢マサ子
見えぬところに水湧き出でて春の暮 桂信子
軽みをば軽く見誤る春の暮 加藤郁乎
途方もなきものへ手をふる春の暮 恩田侑布子
鈴に入る玉こそよけれ春のくれ 三橋敏雄
鮨くうて皿の残れる春の暮 桂信子