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UPDOWN  俳句          UPDOWN  作者名

その言葉交わせぬ母や山眠る 山田光風
とぢし眼のうらにも山のねむりけり 木下夕爾
なるやうになると裏山眠りけり 木内満子
ぽつかりとトンネルの穴山眠る 宮沢志きぶ
まつすぐにルージュを引きて山眠る 柏柳明子
人間に蒸発の音山眠る 安西篤
傷口に触れないように山眠る 月野ぽぽな
剃刀の静かな充電山眠る 水島純一郎
削られし肌をそのまま山眠る 前大用治
吟詠のひとりざらいや山眠る 井上睦雄
埋蔵金隠し続けて山眠る 原田要三
大いなるけものの如く山眠る 堀良子
天狗党越えたる山の眠りをり 梅原昭男
太刀の晴れ鋸の諸山眠りけり 砂土居士郎
山ねむる山を出てゆく水の旅 沢田改司
山眠り火種のごとく妻が居り 村越化石
山眠るあなたも狐の仲間ですか 中内亮玄
山眠るそっと裾野に手を入れて 渡辺誠一郎
山眠るつらなることをよしとして 豊田都峰
山眠るときたま鳥の羽ばたきて 北畑久雄
山眠るまでに書かねば遺言書 宮田喜代女
山眠るもたれ合ひゐる浦百戸 平賀節代
山眠るやうに鎮もる九十九湾 松本詩葉子
山眠る時々煙を吐く浅間 内田庵茂
山霧の朝日に染まり眠る山 中野万里
山鳴りのしてゐる山の眠りかな 高橋将夫
晩成の期待に遠く山眠る 尾崎青磁
木も草もいつか従ひ山眠る 桂信子
水べりに嵐山きて眠りたる 後藤夜半
浮雲の幻影乗せて山眠る 松本操
炭竃に塗込めし火や山眠る 松本たかし
父は土葬母は火葬の山眠る 味元昭次
生きものの音をたしかめ山眠る 桂信子
病む姉の峠をこえて 山眠る 猪狩理操
病む臓器かかえしんしん山眠る 秋山石声子
白骨樹眠れる山の黙示録 中井不二男
眠る山あまたの息をふところに 山崎文代
眠る山すつぽり村を抱いて寝る 加藤宵村
眠る山つらねてつよき稜もてる 西田飄石
眠る山より松一本を抱え来る 寺井谷子
眠る山佐渡見ゆるまで径のあり 前田普羅
眠る山或日は富士を重ねけり 水原秋櫻子
眠る山流れ滔々昨日と同じ 川上万里
粧いを果たしてまろく山眠る 小林美代子
錦繍を真綿に替えて山眠る 木村俊介
鳥放ち山は眠りに入らむとす 桂信子