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UPDOWN  俳句          UPDOWN  作者名

ああといひて吾を生みしか大寒に 矢島渚男
原爆の大寒の地の首ねつこ 松澤昭
大寒に試みられてゐるとする 相生垣瓜人
大寒のここはなんにも置かぬ部屋 桂信子
大寒のどん底バスの時刻表 望月哲土
大寒のななめうしろに居りまする 山口木浦木
大寒のひろがりいたる臼(うす)の創 中村和弘
大寒のむらぎも音のして曲る 臼井千百
大寒のストレッチャーが突っこみ来 中村和弘
大寒の一戸もかくれなき故郷 飯田龍太
大寒の仮面貼りつくやうにかな 井上康秋
大寒の光塵として糞まりぬ 渡辺誠一郎
大寒の古傷眉の中とおる 中村和弘
大寒の埃の如く人死ぬる 高浜虚子
大寒の家をまるごと洗ひけり 中里結
大寒の居すわる駅の小座蒲団 増田直子
大寒の屋根の歪みや昼の酒 桂信子
大寒の底にいるなり愚に徹し 山下裕子
大寒の明日へきちんと枕置く 岡本眸
大寒の木々にうごかぬ月日あり 桂信子
大寒の東京駅に人を待つ 鈴木しづ子
大寒の格助詞がひからびておる 並木邑人
大寒の棲みついている母の皺 新保吉章
大寒の残骸として飼育室 曾根毅
大寒の殘る夕日を市の中 石橋秀野
大寒の河みなぎりて光りけり 桂信子
大寒の皺のようです貨物船 佐藤琳子
大寒の胸こそ熱き血の器 馬場駿吉
大寒の街に無数の拳ゆく 西東三鬼
大寒の銀行を出て笑いけり 前川弘明
大寒の鏡影のみよぎりたり 桂信子
大寒の陽を懐に脱皮する 長島喜代子
大寒の靴下座らねば履けぬ 坂田直彦
大寒の風呂に浮かんだ己が首 小林堪信
大寒やナースはガラスの中で輪に 中尾和夫
大寒やポストの音に深さあり 大竹照子
大寒や一痕もなき穂高嶽 宮坂静生
大寒や人は柩を空に置く 五十嵐秀彦
大寒や力む走り根動悸する 西河しん平
大寒や家のまはりの溝澄みて 桂信子
大寒や巌のごとき壁に凭る 河野南畦
大寒や打ち返す音の速くなり 柏柳明子
大寒や指がはりつく窓ガラス 泉陽子
大寒や穴掘って穴の外にいる 山崎聰
大寒や絵本の森を歩きたる 宮川三保子
大寒や襖の竜の身じろがず 梅原昭男
大寒や見舞にゆけば死んでをり 高浜虚子
大寒や足袋に吸ひつく夜の舞台 佐野青陽人
大寒や転びて諸手つく悲しさ 西東三鬼
大寒や逝く順あらばどのあたり 小菅白藤
   
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