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UPDOWN  俳句          UPDOWN  作者名

からだの青野に馬走らせておく 川名つぎお
くつがへる檻に草伸ぶ大夏野 小田垣朱実
ぞろぞろと僧の頭蓋(はち)ゆく青高野 星野明世
たてがみの濡れては乾く夏野かな 柿沼茂
たてよこに富士伸びてゐる夏野かな 桂信子
でんでらの夏野の草か爺やばば 若林つる子
ともがらと歩む夏野を幸とせむ 大西岩夫
ねころんだ夏野から知恵熱 吉浜青湖
やわらかにあたらしき罠夏野原 佃悦夫
わつと夏野がありて大仏殿ありぬ 針呆介
ライダーの翼広げし大夏野 湊元子
不覚にも夏野に首を置きわすれ 中川屺城子
人間が覚悟を決めている夏野 播磨穹鷹
体内の水を平らに夏野かな 沼尻世江子
千年の杉のこゑ棲む青高野 豊長みのる
原籍の夏野に帰る土踏まず 若林つる子
地球この母艦の青き危うさよ 金子徹
夏の野は太古のオルガンでありぬ 守谷茂泰
夏野ゆく死者の一人を杖として 恩田侑布子
夏野稀に白き衣の父祖見せる 松本勇二
夏野行くどこが中心とも知らず 杉浦圭祐
大夏野飢えし五体を投げ出しぬ 山戸則江
子を盗ろ子とろ青野の果ての曲馬団 山田征司
少年に滑走路あり大夏野 三木基史
少年の夏野にビラが降っている 秋尾敏
少年の眉目まっすぐ夏野かな 松本弘子
年三百日射爆の大地いま青野 大岩水太郎
怒らぬから青野でしめる友の首 島津亮
憲法へ水の流れる夏野かな 松下カロ
棒一本立てて夏野を去りし父 池田守一
母病む日青野を白く背に残し 安西篤
沈黙の青野ひろげる村なりき 髙尾日出夫
波郷に焦土われらに青き荒野かな 堀之内長一
牛に旗無しみんな青野に泥酔し 髙尾日出夫
生きものの一つに吾も夏野ゆく 村上友美
直青(ひたあを)の野に疾き翳を逝かしむる 文挾夫佐恵
絶えず人いこふ夏野の石一つ 正岡子規
船上のごとき夏野に傾けり 守谷茂泰
軍艦が妊娠している夏野かな 谷山花猿
転がつてころがつて少年になる夏野 瀬戸美代子
逃亡のきみに夏野はひろすぎる 清水東洋子
雪加鳴くのろしのごとく夏野かな 平塚波星
雲はぽわと浮かぶほかなし夏の原 上田昭子
青岬遠くで別の汽笛鳴る 石崎素秋
青葦原汗だくだくの鼠と遇う 金子兜太
青野から静かな息を持ち帰る 古谷あやを
青野八キロ八十円封書を運ぶ 横坂けんじ
頭の中で白い夏野となつてゐる 高屋窓秋
馴染まぬと指人形を青野捨て 山田征司
魂ひとつ青野に還す血曼荼羅 五十嵐秀彦
   
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